早川久美子民主党 早川久美子事務所
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葛飾区議会議員 早川久美子
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平成17年 第ニ回定例会

一般的に一人当たり生涯にかかる医療費は2,200万円と言われています。そのうちの半分、つまり1,100万円を70歳までに使い、70歳からの残りの10年くらいで1,100万円を使うと言われています。なぜ70歳以降にこれほどの医療費を使うのかといいますと、介護であります。葛飾区に限らず、日本全体で高齢社会が進行中であり、それに伴う医療費の増加はいたし方ないと思います。しかしながら、今までの医療、とりわけ高齢者の介護というのは後手後手に回ってきたと言えるのではないでしょうか。つまり、予防という視点が十分ではなかったということです。今現在行われている議論の多くは、いかに介護保険のための予算を捻出するかでありますが、今後は、いかに介護を必要とする人を減らしていくかが議論していく方向だと思います。

80歳までに20本の歯を残していこうという8020運動というものがございます。かむということは非常に健康に影響があり、また、歯が多く残っている老人ほど認知症が少なく、入れ歯でもきちんと合ったものをしておけば、それに同様の効果があると報告されています。歯科衛生士を施設に配属するだけでも、その成果は上がるということも言われています。つまり、歯科診療をさらに充実させると、高齢者になってからの認知症は少なくなり、健康に過ごせ、さらに医療費を軽減することができると言えるのです。

どの程度医療費の削減ができるかと申しますと、日本全体で高齢者にかかる医療費は約10兆円と言われております。そのうちの2割の約2兆円が高齢者の歯科医療にかかる額であると考えられます。67%の人が8020運動を達成しないと考えられている今ですから、もしその人たちがすべて達成したと言えば、軽く1兆円の医療費が削減が可能ということです。本区に置き換えてみましても、医療費、そしてその後の介護費削減が見込めるということです。

歯科衛生士を有効に活用する利点は、単に虫歯の予防にとどまりません。虫歯や入れ歯のふぐあいをなくすことで、潜在的な認知症の予防、または認知症の症状の改善につながるというデータもあります。寝たきりの方の口腔衛生を管理することで、症状が改善したり、起き上がれるようになることもあると報告されています。

広島県御調町では寝たきり老人をつくらないという施策を行い、介護予防、自立回復、介護軽減ができたとのことです。このことからも、介護予防や認知症予防には口腔衛生管理が大変重要だとわかります。口腔衛生と全身の健康には密接な関係があり、言い換えるならば、歯科と医科は極めて密接な関係にあると言えます。

全国介護保険担当課長会議の資料からも読み取れますように、平成18年4月あたりから、本格的に介護予防事業をスタートさせなければなりません。現在、介護予防関連のサービスは、区独自の一般財源による事業が主なものであり、今後恐らくこれらの事業を大きく見直すことになると思います。国でも現在、介護保険制度の見直しが進められておりますが、その中でも高齢者の口腔ケアの重要性が指摘されています。区としてはどのように考えているのかお伺いをいたします。

口腔ケアは高齢者にとどまらず、子供たちにも必要と言われています。昨今、児童虐待は社会問題となっています。その中でも、ネグレクトといって子育てを放棄される子供がたくさんいます。しかし、ネグレクトの一つの問題は、虐待と違い、外傷がないものですから早期発見は難しいのです。つまり、統計にはあらわれていない相当数の被ネグレクトの子供がいると考えられるわけです。

確かに外傷はないわけですが、歯科医から見ると、ネグレクトされている子供の歯というのは一発でわかるそうです。皆様も子育てをなさったならばご承知していると存じますが、子供というのは、親が強制しないと歯磨きをしません。ところがネグレクトの場合は、子供は無視されているわけですから、歯磨きをせず、歯が悪くなるのは当たり前のことなのです。

私は、この問題は定期的な歯科健診を充実させることでクリアできるのではないかと考えていますが、現在の健診時には、果たして歯科医が虐待を受けている乳児、幼児を発見しても、それを児童相談所に報告することが実際に行われているのでしょうか。虐待の早期発見に努めることからも、健診時に歯科医が児童虐待を受けていると思われる乳児を発見したら、児童相談所に報告するなどの制度をつくってはいかがでしょうか。答弁を求めます。

口腔衛生管理には、新しい施設も機材を購入する必要もありません。現在の歯科医や歯科衛生士を有効に活用することで、子供たちの虐待の早期発見となり、ひいては高齢者の健康維持にとっても、また、医療、看護にかかる費用を削減することもできるという観点から見ても、口腔衛生を施策に取り入れることは有意義であると考えます。何とぞご検討いただきますようお願いをいたしまして、次の質問に移ります。

続きまして、立石の再開発事業についての質問をさせていただきます。

本区では、立石の再開発事業は連続立体事業と一体で進めることにより、総合的なまちづくりの効果が早期にあらわれるという視点から進められてきました。立石北口地区は7年前から、南口地区は5年前から研究会がスタートし、現地にまちづくり事務所を設けるほか、権利者の主体的な取り組みを本区では支援してきたところです。しかしながら、現状を見ますと、再開発の計画は実質的にとんざしていると感じざるを得ません。(「そのとおり」との声あり)

今年3月に、区長あてに立石の再開発計画の中止を求める陳情書が提出されました。内容は、現計画では採算性に問題があり、立石に高層ビルは合わないので中止を求めるというものです。この陳情書は、権利者総数で71名の署名がなされています。組合設立は権利者の3分の2の参加が必要なことから、この署名数から見ても、再開発組合を立ち上げるには絶望的な数字だと言えます。(「そうだ」との声あり)この陳情書が出てきた事実を受けとめ、計画を再度考え直す必要があるのではないでしょうか。答弁を求めます。また、71名もの再開発反対署名数をどのように受けとめていらっしゃるのでしょうか。

この陳情書で見られるように、現在、多くの方の立石再開発事業の理解が得られない理由としては、幾つかの要因が考えられます。一つは事業のスケジュールです。再開発事業と鉄道の連続立体交差事業が抱き合わせになることは非常に多いケースであり、国土交通省では、この二つを抱き合わせることを推奨しています。本来は別事業であるにもかかわらず、抱き合わせることで分断されていた市街地が広く一体となり、それによって広く面的な開発を促進できるからです。国側の目的は、連続立体交差事業を起爆剤に再開発することによって、一定の税の投入でより大きな投資効果が得られるとしているところです。さきに申しましたとおり、京成立石の立体化事業もこれに例外でなく、立石駅再開発事業が前提になっています。

平成16年度第4回まちづくり・交通特別委員会での当時の課長が、立石駅の仮駅舎の完成が平成20年前後と答弁されています。開発事業をやった後に立体化事業を行うというスケジュールなのですから、そうなりますと、当初の予定より北口においては再開発事業を進めるに当たり、かなりおくれているように感じざるを得ません。現実的に平成20年完成予定の仮駅舎は間に合わないと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

あわせて立体化事業についても心もとなく感じます。もっとも、この立体化事業の事業主は東京都でありますので、東京都の方がいずれ見直しを出してくるであろうと予想しますが、本区といたしましては、今、この状況をどのように受けとめていらっしゃるのでしょうか。再開発事業とあわせての事業計画、スケジュールなど、せめて期限を切って考え直すべきと思いますがいかがでしょうか。答弁を求めます。

多くの方の立石再開発事業の理解が得られない理由として、次に、事業の採算性の問題があると考えます。再開発事業をやることによって、地権者の方が商売ができなくなった、家がなくなった、土地もなくなったのでは、再開発の意味もなくなってしまいます。そのあたりが陳情書の反対署名71名という地権者から理解が得られなかった大きな要因となっていると思います。

ここで、20坪の床を持っている方が再開発後、立石に残留し、今までどおり商売を営むことができるかどうかシミュレーションしてみます。

平成16年度3月に出された立石北口再開発検討調査結果その4、79ページによりますと、6割の方が再開発後残留するとしていて、今、持っていらっしゃる方すべての残留者の方々の土地を合計すると5,400坪。それが再開発後のビルで、その方々の分として4,800坪が保障されるとしております。
このモデルケースで試算すると、20坪を4,800坪分の5,400坪で掛けると17.7坪。従来の20坪が17.7坪と試算されているわけでございます。17.7坪であるならば、継続して立石で営業が可能と考えられます。しかしながら、ビルの床の値段は二つの化け方をします。

少々長くなりますが、採算性があるかないかを認識していくためにも、この二つの化け方を説明いたします。

その一つがグロスとネットというものです。マンションを思い浮かべていただくとわかりやすいのですが、必ず共有部分というものがあります。占有の床だけではエレベーターも廊下もなくなってしまうから、共有部分として皆で使う部分を供出し合います。広めにエレベーターや廊下をとれば占有部分は70%。
これが商業の床になると共有部分をさらに多くとるので、自分の占有部分は60%程度ということもあります。この占有部分の60%を、先ほどの17.7坪に掛けますと10.62坪となってしまいます。この時点で、従来の20坪が10.62坪になってしまうわけです。

さらにもう一つの化け方に、効用比率というものがございます。これは商業ビルのような場合や住宅、商業と混在している床に使われているものですが、要は人通りのいい1階、2階に高い床の値段をつけて、上層階には人が入りにくいから、安い値段をつけようというものです。再開発ビルの通説では、1階は1.7、2階は1.4というウエートをつけて計算をします。今まで1階で商売を営んできた方々は、当然、1階に住まわれると仮定いたしますので、効用比率1階の1.7倍でウエートをつけ試算いたしますと、先ほどの10.62坪が6.3坪になってしまいます。結局、1階で商売を続けようと思った場合、従来の20坪の土地を持っている方は、6.3坪しか、厳しく見積もると与えられなくなってしまうのです。現状の20坪が6.3坪、これでは到底事業の継続はできないと考えますが、区の見解をお示しください。

もちろん、最終的には既存資産と交換に新たに与えられる資産の面積や条件などについて、個別にしか説明のできないことは理解します。しかし、モデルケースを使ったおおよその数字を示すことは現時点でも可能だと思いますが、いかがでしょうか。

また、固定資産税は資産価値が上がった分だけ上がることになるのは、個別建て替えの場合でも同様ですが、再開発研究会においては、どれだけ上がるかは従前の資産状況によって変わると説明されています。従前の資産によって変わるということは事実なのでしょうか。もし従前の資産状況によって固定資産税が変わるとするならば、今の時点でもおおよそその数字を出すことができると考えますが、いかがでしょうか。

今まで述べてきたような不安が拭い切ることができていないので、営業者、住居者は、本当にこのまま再開発後、継続して立石に住居可能なのかと不安に感じ、その要因一つ一つが重なり、3月の再開発反対の陳情書の提出につながったものだと考えます。再開発の話がスタートして既に7年の月日が経過しているにもかかわらず、多くの方々の理解が得られるどころか、反対する方々が増えていってしまっているのは、そもそも開発事業の採算性に問題があるか、もしくは説明の方法が足りなかったのではなく、間違ってきたと考えられますが、いかがでしょうか。

また、住民が住み続けられるまちづくりが前提ならば、ほかの手段を考え直した方がよいと思われますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

次に、改めて立石再開発事業の目的、手法について確認をしていきたいと思います。

以前、担当部長より、再開発の目的は災害問題も解決でき、地域の活力も解決でき、交通問題までもが解決できるという答弁から、まさに立石再開発事業は一石三鳥、四鳥の計画と聞こえます。しかし、再開発のみですべての問題が解決するような事業を本当にできるのか、疑問に感じてなりません。無理に続行していけば、そのしわ寄せは地権者の方に行ってしまうと感じてなりません。立体化事業という決定済みのほかの事業実施の必要性に導かれた理念なき再開発ならば、考え直すべきです。(「そうだ」との声あり)再開発ビルによる土地の高度利用を核心とする再開発事業は、低成長の時代、加えて都心から若干離れた、このような立石のような地域には不向きの事業手法となっているのは明らかです。床の処分、テナントの誘致など、見通しは明るいはずがありません。金町の再開発においても、駅前再開発ビルのテナント募集に苦戦し、実質的な公費投入と言うべき図書館の再開発ビルへの設置という苦しい策に出ざるを得なくなってしまっているわけです。

区はさきに述べましたとおり、立石再開発事業の目的の一つに災害対策としています。当然、それは必要なことです。しかし、このような災害対策を必要とする場所は一部ですし、一街区など耐火のしっかりした建物も多く、消防車が入れる道路の幅もあります。この一部の防災上危険と言われるところを整備すれば、全体の開発事業を進める必要性はどこにあるのかと感じてなりません。もし地権者が損をするような再開発事業であるならば、コストと時間はかかっても、防災、地域振興、交通整備とそれぞれの問題を一つずつ確実に解決していくことが必要と感じます。(「そのとおり」との声あり)

再開発すれば、何でも解決できるという安易なやり方ではなく、別々にきちんと問題と解決策を検討していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

私は立石のまちづくりには、あらゆるそれぞれの地域、地区ごとにさまざまな手法をミックスして取り組むことが必要と考えます。例えば、この防災の問題を解決する一つの提案として、消防車が入れないような地域をまずは洗い出し、消火栓を設けることから対策を始め、緊急の災害対策はすぐに実施するようにしてはいかがでしょうか。

面のまちづくりについては、再開発事業ではなく、地区ごとに住民主導の共同建替の手法を推進するなどの方法を検討してみてはいかがでしょうか。共同建替とは、隣接する住民同士、権利者同士が話し合い、隣地の交換や借地の精算などを通じて面としてのまちづくりを進める一つの手法です。再開発の最も原始的な手法というべきものです。本来、住民同士の話し合いで進めればよいだけのシンプルな方法ですが、合意形成やビジョンの構築のために専門家のアドバイスが必要です。

そこで、区がそうした共同建替に通じたまちづくりの専門家を共同建替推進プランナーとして認定し、プランナーに区役所としてのお墨付きを与えると同時に、プランナーが地域住民の合意形成を行う際には、会議や資料の費用などをサポートするような共同建替推進プランナー制度を設けてみてはいかがでしょうか。今後は、このような再開発事業に依存しない災害対策なども検討していただきたく存じます。

私が生まれ育ったまち立石は、昔ほど活気がなくなってきたとはいえ、温かみを感じるまちであることには変わりはありません。伸び伸びと歩くご婦人方、休日の夕暮れどきにはお酒でご機嫌になったお父さん方、お年寄りもカートを押しながら、車を気にせずゆっくりと買い物を楽しんでいます。八百屋さん、酒屋さんと、昔からのお店も数多く、まるで映画のセットに出てくるかのような呑んべえ横丁、全国的にもまちが誇れる鳥屋さん、もつ煮屋さんもあります。一本路地に入れば、住民の方がきれいに手入れされた緑や花が並び、雨上がりの路地は、それは風情がある風景です。まさに立石は情緒あふれた温かなまちなのです。

私の留学時代の外国人の友人が東京を訪ねることがたびたびあります。彼女、彼らと地元立石のまちを一緒に歩きますと、六本木や新宿を紹介しながら歩くときよりも大変感激し、喜び、カメラをまちに向ける回数も圧倒的に増えます。また、そんな彼女、彼らに優しく接する商店の方々が立石のよさでもあり、そんなまちで育ったこと、そして住んでいることを私は誇りに感じます。

無論、何度も言いますように、防災面、その他の面で再開発をしていくことは必要です。しかし、強引な再開発でこういった立石の個性を奪い、立石北口再開発検討資料にあるような、どこにでもある無機質なまちをつくることが、本当に地域の活性化につながっていくのでしょうか。未来のゴーストタウンを生み出す結果にはならないのでしょうか。情緒のあふれる温かなまちが生き続け、この立石というまちを愛する住民の方々が住み続けられるようなまちづくりになるよう、ぜひしっかりとご検討し直していただきますよう、再度お願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

ご清聴ありがとうございました。(拍手)
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